その言葉の意味がわからない私は、花夜から少し離れ、彼女を見る。

 悲しそうに、花夜は言う。

「本当は、私にも、深夜と同じように、来世があった。

次の巡りに、魂を委ねることができた。

でも、深夜があなたを連れて行こうとしていたから・・・。

大切なあなたの魂を、まだあそこに行かせるわけにはいかなかった。

だから、私の輪廻を終わらせることを条件に、ここへ来ることを許してもらった。

私が誰かに生まれ変わることは、もうない」

 それでもやっぱり、花夜の言葉はよくわからないけれど。

「深夜に全てを託して、来世であなたの生まれ変わりと出会えることを願おうとも、思った。

でも、それではだめだった。

私は、あなたに、会いたかった。

どうしても、思い出してほしかった」

 そんなにも。

 こんなにも、私を思っていてくれた。

 私が彼女を覚えていなくても。

 私が忘れてしまっていても。




<<    >>