声のした方――私の後方を振り返ると、そこに、

 薄桃色のリボンをした、間違いなく私の記憶の中にある姿の少女が、いた。

 間違いない。彼女だ。

 彼女――花夜こそが、私が出会った少女。

 藍色のリボンの少女ではなく、薄桃色の。

 深夜という名の少女ではなく、花の名前の。

 花夜は、怒りを秘めた目で、私の隣の少女――深夜を見つめる。

 深夜は、少し悲しそうに、けれどどこか安心したような目で、自分とよく似た少女を――花夜を見つめている。

 彼女は私の手を離すと、花夜に歩み寄る。

 二人の、とてもよく似た姿をした少女達が――向かい合った。




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