白 い 花 を 持 っ て
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遠くからずっと見つめていた

遥か昔から、幼い頃から

ずっとずっとただ見ていた、いつでも見ていたんだよ

ああ、君は綺麗になったね
まるで純白で一点の穢れもない花のように清く美しくなった

「・・・君を選んでよかった。」

これから君のところへ行くよ 真っ白い花束を持って
初めて君に声をかけるんだ

遠い空、君の姿を浮かべて僕は笑う

この鼓動も 胸の高鳴りも全て君のものだ
だから僕を見つけて その瞳に映して

「早く会いたい。」

やがて遠くに君の姿を見つけた
君は綺麗だからすぐに見つけられる どんなに遠くにいても関係ない
ああ、もう全てが我慢できない もう この溢れる想いを

青年は静かに少女へ近付く
少女の視線がゆっくり男の方へと映された

「・・・×××」

少女がわずかに後ずさり、黒い瞳が大きく見開かれる

白い花びらが空へ舞い、地面は赤く染まった


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コメント:ストーカーさんのお話。純粋すぎる愛はこの世界では罪なのでしょうね。
      最後にどちらが血に染まったのかはご想像にお任せします。
      ちなみに×××の部分は少女の名前です。


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